スポーツ症例8
筋損傷 48時間以内の処置の例
試合中に接触があり、相手の膝が太ももに強くぶつかり、筋損傷(挫滅=潰れてしまう)を起こしてしまったTさん。
今日、ケガしたばかりという事で、受傷後48時間以内・ゴールデンタイムの処置です。
まずいきなりアイシング……ではなく、患部の広さを特定するために触診します。
何度も触ると不快ですので、患部と健康な組織の境界をペンでチェックしていきます。
こうすることで、ここからここまで受傷しているというのが視覚化されます。
そうすると、アイシングを当てる際や治療の際に見逃しが無くなります。
また、何度も場所を確かめる必要が無くなり、患者さんも痛い思いを何度もしなくて済みます。
患部が特定出来たら、アイシングを患部に施します。
かなり広く筋肉がつぶれてしまっているので、アイシングの範囲も広いです。
良く冷えたら、手技療法で軽くリンパドレナージュを目指した治療をします。
この時に強い刺激を与えてしまうと、骨化性筋炎を起こしてしまいます。慎重に。
あくまで、浸出物を中枢に戻す程度の軽いものです。
それでも、処置をしばらくしていると痛みがやや軽減されてきます。
この状態でテーピングで固定し、患部の安静を保持。
患部安静の指示、酒たばこ禁止、風呂禁止等の必要事項を伝え、明日、来院するように伝えます。
次の日からも同じようにアイシングからのリンパドレナージュを繰り返します。
受傷後すぐに処置できたため、通常なら数か月かかる怪我ですが1か月程度で復帰されました。
このように、受傷後すぐ処置できたパターンは明らかに復帰までの時間が短くなります。
皆さんも怪我をしたらすぐ当院へ来てください。早い復帰に繋がります。