足関節捻挫の際に受傷する箇所は前距腓靭帯だけか? 

「捻挫しました。足首を捻りました。」

と言われて整骨院に患者さんが来た場合

一般的な整骨院では、すぐ外果周辺をアイシングしてしまう事が多いようです

しかしこれは間違いです


まず前提として

本当にそれは「前距腓靭帯の捻挫」だけなのか?

という視点が必要です


足を捻った受傷機転を確認してみると

「その捻り方だと内反捻挫じゃないぞ?」

となったことは良くありました


良く良く聞いてみると、指の捻挫だった

良く聞いてみるとショパール関節の捻挫だった

こういう事も、問診する前に外果のアイシングをスタートしてしまい

後から例えば内果側の受傷等を発見してしまうと

アイシングを患部に再度行う事となり時間のロスが出てしまいますし

患者さんも治療時間が長くなることは望まないでしょう



捻挫だと聞いて、まず最初に視診触診するべき部位を列挙します

〇 前距腓靭帯

〇 踵腓靭帯

〇 脛腓靭帯

〇 伸筋支帯

〇 前脛骨筋

〇 ショパール関節

〇 三角靭帯

〇 短指伸筋~二分靭帯

〇 第五中足骨基底部~短腓骨筋腱

〇 リスフラン関節

〇 MP関節

慣れればここまで1~2分で確認出来るので

私はここまでは必ず触診して

圧痛点はボールペンでチェックします


次に、捻挫で二次的に痛める部分として

〇 アキレス腱

〇 足底腱膜

〇 背側・底側骨間筋

など、余裕があれば見ておきます


現場では、ぱんぱんに腫れてしまった足を見た瞬間に

焦って「すぐ冷やしましょう」とやってしまいがちです

パンパンだからこそ、どこまで受傷が広がっているか

丁寧な確認が必要です


チェックできれば、アイシングの範囲もおのずと決まりますし

のちのテーピングの範囲も決まります

テーピングで言えば、例えばリスフラン関節まで痛めていたら

横アーチサポートを遠位まで2~3巻き入れる、など変化を付けますが

そもそもその受傷を発見できていなければ処置できません

施術技術の前に、受傷の評価(我々は「診断」とは言えない)が出来る事

それが無ければどんな技術も持ち腐れになってしまいます


足首のテーピング技術については

別項にて書く予定です

(R元年7月加筆修正)