スポーツ障害症例4 

オスグッドシュラッター病 

小学生でバスケットボールをプレイしているGさん

病院にてオスグッドと診断されたがそのままプレイを続けており

痛みで走れなくなり親御さんと共に当院に受診されました


両足とも膝の脛骨粗面が出っ張ってきており、脛骨粗面を触診すると強い圧痛が見受けられます

患部付近は熱感があり、炎症もある事が確認できます


オスグッドの病態は、走る・ジャンプなどの強い負荷が膝に掛かる事により

軟骨が膝から剥がれてしまい、それによって炎症が起こってしまう事によります

骨折に分類されるわけではありませんが、軟骨の損傷なので痛みは強いです


間違ってはいけないのは、「成長痛では無い」という事!!


日本整形外科学会のオスグッドの説明ページ>>ここから

写真は下の物をご覧ください

膝の骨が剥がれている事が確認できますね

注:Gさんのものではありません

この写真は技術の高い技師さんもしくは先生が取ったと思われます。撮影の際に適切に角度等を設定しないとこの写真の様には写りません


通常はまず病院に行ってレントゲンを撮ってもらいますが

今回は既に病院に通われており、診断も出ている為すぐ治療を開始します(下に続く)

Gさんは痛みが強く、走るどころかその場ジャンプも出来ない

膝を曲げて屈伸することも出来ません

かなりの重症例です


お車で来院されている為、週に1回か2週に1回しか来院出来ないとの事

治療のコントロールが難しい症例となりました


まず、競技を休んで安静を指示

そもそも走れないのに練習をするのは体を痛めつけるだけです


写真や病態の内容を説明し、納得していただきます

更に、毎日の患部のアイシングとセルフケア(リンパマッサージ)の方法を伝えました


安静を1カ月を過ぎたころから膝(脛骨粗面)の痛みがかなり取れてきました

軟骨の剥離がくっついて、骨自体の痛みが無くなってきたと考えられます

患部の炎症もほぼ収まってきていますのでもう少しです

しかし、今だ膝を曲げる事は出来ず、ジャンプは出来ません


ここからが私たち施術家の本番です


膝、股関節、ふくらはぎなど膝の運動に関わる関節・筋にアプローチ

すると今まで殆ど曲げる事さえできなかった膝が

しゃがみこんで座れるまでになりました


ここから、競技復帰に向けてのトレーニングを併用してもらいます

まず膝の調子が良い事を確認したうえでダッシュ、ジャンプの練習を

一日の上限回数を設定し、それ以上は練習しないように指導

復帰中に再度痛めてしまう事を防ぎながら、少しでも復帰に近づけるようにしていきます


Gさんの場合は練習再開まで50日ほど

完全復帰には2カ月強かかりました

一般的に、安静指導だけだと平均3~6カ月かかりますので

かなり早く復帰してもらえたと思います


オスグッドは上記写真のように、スポーツ障害の中でも、休養が回復に必要な症例です

けして成長痛ではありませんので、自己判断で我慢しない事です

小中学生は自分で判断が出来ない事も多いので

親御さんがお子さんの体に注目し、気づいてあげる事が重要です


小中学生が足を引きずっていたら、既におかしいのです

ちょっとでもおかしいな、と思ったら是非当院にお越しください