一般症例1 ぎっくり腰の治療

急な痛みで朝起きられなくなったFさんから

どうもぎっくり腰らしい、とのお電話を頂きました


ぎっくり腰の場合、多くは炎症が起きていますので

まずアイシングをする必要があります

先にぎっくり腰だとお電話を頂ければその準備をしておけます


Fさん、いらっしゃった段階でかなり体を引きずっておられます

さあ、治療という段階ですが、すぐ寝ていただくのは素人仕事!

まず、体がどの程度動くのか確かめます


前屈、後屈、側屈、回旋動作を行ってもらいました

Fさんの場合、前屈より後屈が辛く

回旋時に左側に痛みが出ています

これで、左の腰の痛みが重要だと当たりが付けられました


まず腰痛の痛みを和らげるためにベッドにクッションを腰痛用に配置し

体が楽な体勢になるように寝ていただきます

ぎっくり腰はうつ伏せに寝る事さえ辛い、という場合も多いですし

準備をせずうつ伏せになったら起きられなくなる場合も多いです

クッションを的確に入れるとうつ伏せが楽 = 体を安静に出来ます

負担を掛けずに長時間寝ていただく配慮です

また、当院では昇降ベッドを使っていますので

体を動かしにくい方でもベッドに寝やすくなっています

Fさんもなんとかベッドにうつ伏せになれました


この状態でまず皮膚の熱感を確認

触診でかなり強く熱感があります。やはり左の方が熱感が強い

炎症を抑える為に患部にアイシングを15分行います

その後、手の治療に入っていきます


ぎっくり腰は患部がケガをしている状態ですので

やみくもに治療すると悪化してしまいます

慎重に患部を確かめ、ケガの部分は避けながら

筋緊張が強い所を緩めていきます

筋緊張を緩めれば患部への血流が改善し、結果回復が進みますし

ケガで動けない部分以外の機能を回復させれば周りが楽になりますので

結果、患部に無理を掛けずに動けるようになります

ぐいぐい押したり、やみくもに全部揉むのは絶対NG!

治療してよい所とダメな所をきっちりスクリーニングして行います


また、アイシングをせずに治療すると

ケガしている患部の血行がよくなりすぎ、

結果、痛みが増強してしまいます

回復は進んだが痛みが凄く辛い、という状況は良くありませんので

出来るだけ痛みを軽減出来るようにとの配慮です


ぎっくり腰の場合は、「ケガ以外の部分」をどう回復させるか

ここに掛かっていると言っても良いでしょう


1回目の治療で、何とか動けるようになったFさん

しかし、仕事があるとの事で一日安静というわけにはいかないようです

そこで、患部を休ませるテーピングを施し

動くことはかなり楽になっていただきました

腰痛ベルトはお持ちとの事で、それも使っていただくよう指示します


このままでは再発してしまいますので

次の治療では鍼の水野先生の治療も併用していただくようお伝えします


2回目の治療ではアイシング、のち手技療法を行った後

鍼治療も合わせて行いました


鍼治療は手の治療より格段に回復が早まります

手の治療だけでもゆっくりと治すことは可能ですが

早急に治す、となるとやはり上手い人の鍼を併用する事が大事

水野先生もぎっくり腰の治療経験が沢山ありますので

安心して任せられます


結果、2回目でほぼ動くことは問題なくなったFさん


腰の不安感が取れるまで通っていただき

手技療法と鍼の併用で

大体6回程度で普段の状態まで回復されました



ぎっくり腰になってすぐ、治療を行えれば回復は早まります

おおよそ、48時間以内くらいでしょうか

(外科の世界でもゴールデンタイムと呼ばれる時間です)

それより治療開始が遅れると、回復自体も遅れてしまいます


Fさんはぎっくり腰になってすぐ来て頂けたので

かなり早く回復させることが出来ました


ぎっくり腰になったら、経験の多い整骨院(流行っている、ではない)に

すぐ来ていただくようお願いいたします